こんにちは。Flair Espresso Championship 初代チャンピオンです。
Flair Espressoは自分好みに調整できますし、かなり良い味も出るのですが、自由度が高すぎて悩む人も多いのかなと思います。
私は大会に向けてどんな豆が来てもある程度のエスプレッソが淹れられるようレシピを考えて持っていきました。
家で淹れるときに参考になるかなと思ったので、その時のレシピを書いておきます。
Flair Espresso Championshipとは?
みなさんはFlair Espressoというコーヒー器具をご存知でしょうか?
Flair Espressoは手動のエスプレッソメーカーで、家でも本格的な味わいが出せると話題の商品です。
手動のエスプレッソメーカーは他にも色々ありますが、Flair Espressoは味だけでなく、デザインの美しさや作りのタフさ、ポータブル性の点で素晴らしい製品だと思います。
『Flair Espresso Championship』とは、第15代ワールドバリスタチャンピオン井崎 英典さん主宰のオンラインサロン『コーヒー共和国』が主催した、Flair Espressoを用いたおそらく最初の大会です。
参加者はコーヒー共和国メンバーだけでなく、一般の方も募集して行われました。初めてFlair Espressoを触る方もいる、楽しくわいわいやる感じの大会です。
大会の審査基準は「味のみ」です。参加者が提出したエスプレッソを井崎さんが審査員となってブラインドで味見し、順位を決めます。
コーヒー業界には色んな世界チャンピオンがいますが(笑)、エスプレッソを入れる大会で世界最高峰の大会はワールドバリスタチャンピオンシップであると言っていいでしょう。
その大会で世界チャンピオンになった方にエスプレッソを飲んでもらえるなんて、、本当に素晴らしい大会でした!
大会に向けて
大会に出ると決めたとき、実はまだFlair Espressoを持っていませんでした。
ただ大会に出るからにはとりあえずNo.1を目指すか、と思い、Flair PRO 2をすぐに注文しました。
大会当日のグラインダーや豆について情報は出ていない状態だったので、
割と標準的なレシピとして粉:抽出量が1:2のエスプレッソ、多少深煎りでも豆を詰めれるように18gの豆を利用することにしました。
このままだとみんな同じようなレシピになるなと思ったので、優勝するための差別化としてテーマを考えました。
そのテーマとは「片付けが簡単」であること。
どこでも手軽に美味しく淹れられるのがFlair Espressoの魅力だと感じたので、誰でも真似できて、簡単な方法がいいなと思ってこのテーマにしました。
その他に意識した点としては、机の上をきれいに使うことですね。バリスタとして大事なことかなと思っています。
チャンピオンレシピ
では早速レシピを紹介しましょう。
準備するもの
- コーヒー豆18g
- 沸騰したお湯
- はかり
- タイマー
- キッチンペーパー(または乾いた布)
スパウトは洗い物を減らすため使用しません。
予熱
まずは器具とカップを予熱します。
PRO 2のシリンダーは分厚いため、2回予熱をします。
熱を十分に移すため、分厚くお湯が溜めれるものから、
シリンダー、カップ、ディスパージョンスクリーンとポルタフィルターの順で温めていきます。
気化熱で冷めてしまうので、スクリーンとポルタフィルターはすぐに拭き取りましょう。
カップもお湯を捨て、きれいに拭き取ります。
コーヒー豆に当たる箇所が濡れているとそこから抽出が始まりますし、カップが濡れているとエスプレッソが薄くなります。しっかり乾いた状態にすることがポイントです。
ポルタフィルターはお湯を捨て、もう一度お湯を入れておきます。
ドーシング
豆を挽いてポルタフィルターに粉を詰めていきます。このときの挽き目は業務用マシンでエスプレッソを淹れるときより少し粗め。
個人的に粉を挽いたカップをひっくり返してポルタフィルターに詰めるのは偏りが出る気がして好きではないので、ブラインドタンブラーを使います。
一度ブラインドタンブラーに移して軽く振り、粉量の偏りをなくして、底を細かくクルクルと回していくことでふわりと粉を詰めていきます。
タンピング
ディストリビューターがあればよかったのですが、サイズが合うものを持っていなかったので、軽く左右に振ることで粉が均等になるようにしました。この時硬いもので叩いたり、強く叩いたりすると、力が加わった箇所の粉が押されて詰まっていくので、なるべく優しくならします。
この状態でファンネルを外すと粉がこぼれてしまいそうな場合は底を軽く机に向けて叩き、ポルタフィルターの縁が見えるまで粉を詰めます。
ファンネルを外したらいよいよタンピングです。
一般的な業務用マシンのフィルター径は58mmですが、Flair PRO 2は約45.6mm。業務用マシンと同じ力でタンピングをすると、粉にかかる力は約1.6倍に。それを考慮して、少し軽めにタンピングを行いました。
ここまで気をつける必要はないかもしれませんが、粉が空気に触れる時間は短い方がいいので、タンピングが終わったらすぐにスクリーンを粉の上に置きます。
斜めに入れてしまうと粉の表面が崩れる可能性があるので、スクリーンは粉と並行な状態でスライドさせるように置きます。
この時細かい粉が舞うので、手で払っておきます。
抽出
ポルタフィルターにシリンダーをセットして、お湯を58g注ぎます。
(スケール買い換えたいと思いながらタニタのクッキングスケールがコスパも反応も割と良いのでなかなか…)
まずは3気圧で蒸らし。20秒経過したら7~8気圧かけて抽出します。
この気圧でお湯がなくなるまで落とします。最後の方は気圧が下がりますが、気にせず最後まで(1気圧くらいに下がるまで)落とし切ります。
豆によってかなり変わりますが、これでお湯を出し切ると約36gのエスプレッソが出てきます。
トータルで40〜50秒を目標に挽き目を設定します。その後は味をみながら調整していきます。
落とし切りにすると、抽出の最後の方は圧力が下がりますし、抽出量もコントロールできません。
味を求めるのであれば、お湯をしっかり入れて、抽出量をはかりながらエスプレッソを落とすのがいいと思います。
あえてこの方法にしたのにはいくつか理由があります。
1つ目はフレアエスプレッソに丁度よく収まるはかりがなかった事。
2つ目は抽出後半は成分を出しすぎると嫌な味が出てしまうので、後半圧力を下げるのもありかなと。
3つ目は後片付けが簡単なこと。シリンダーにお湯が残らないので、そのまま取り外してもお湯がこぼれず、火傷する心配もなくなります。
大会
大会はWoodberry Coffee Shibuyaで行われました。
エスプレッソコースを飲みに行ったことがありますが楽しかったですね。
ブラインドタンブラーとタンピングマットとはかり、掃除用にキッチンペーパーとゴミ袋を持っていきました。
キッチンペーパーは役立ちました、複数回淹れるとなるとどうしても拭くものが必要になります。
実際に淹れるシーンをイメージしておいて良かったです。
グラインダーはコマンダンテが用意されていただけでなく、お店のEK43を使わせてもらえることに。
EKの味が好きなので迷わずEKを使わせていただきました。
コマンダンテを使用している方もいましたが、結構挽くのに時間がかかっている印象でした。
時間内であれば何度淹れてもOKだったので、EKの方が有利でしたね。
最後に
Signatureで淹れたエスプレッソを飲ませてもらう機会もありますが、いい味出るんですよね。
エスプレッソやカプチーノがメインであればSignatureもいいと思います。
大会後には井崎さん抽出のエスプレッソを飲ませていただきました。めちゃくちゃ美味しかったです!
いろんな要素を自由に設定できるフレアエスプレッソの可能性を感じました。
これからも色々試していきたいと思います!